《 ろうけつ染めとは 》
染布の染め方には、様々な技法があります。
当工房では、京都でも数少ない「ろうけつ染め」を中心に、古くからの伝統を引き継いでいます。
伝統の染め技法
ろうけつ染め
ろうけつ染めは、布に蝋(ろう)をのせ、染め上げる技法です。布にろうをのせることは、防染方と呼ばれる色の混ざりを防ぐ目的もあります。
友禅染めでは色糊を使用しますが、ろうけつ染めの場合は、ろうがひび割れを起こし、
染め上がりには味わい深い不規則な模様ができるのです。
20以上もの工程が味わい深い魅力を醸し出す、ろうけつ染め
- 生地の柄になる部分に糊を置いた後、全体にろうをのせる。
- ろうをつけた後、柄部分に手作業で色を差し、地色を手ぐりで浸染染めを行う。
- ろうを落として洗いをかけた後、自然乾燥し、一枚づつ裁断し、仕立に入る。
染手法
オーダーメイドでは筆書きのろうけつ染めで製作いたしております。 ⇒ 製作工程はこちら
その他の既製品では、以下のような手法も用いて製造しております。
ふぶきのような柄をつける染手法です。
力加減で、太い線・細い線・かすれた線・とがった線など様々な表現ができます。
また筆やほうきのような刷毛を使用したり、太い刷毛でろうを飛ばして、
ふぶきの様に表現します。
その他の既製品では、以下のような手法も用いて製造しております。
ふぶき
溶かしたろうを刷毛で飛ばして、ふぶきのような柄をつける染手法です。
しけ刷毛
溶かしたろうを、毛を櫛の様にそいだ「しけ刷毛」を使用して線を引く技法です。力加減で、太い線・細い線・かすれた線・とがった線など様々な表現ができます。
また筆やほうきのような刷毛を使用したり、太い刷毛でろうを飛ばして、
ふぶきの様に表現します。
その他の染め
藍染め
染料の入った藍釜に染生地を一枚一枚入れ、何度も浸けた後に水洗い。さらに釜に浸けて、水洗いという工程を続けることで染め上げる技法です。
藍の釜に生地をつけて1度水ですすぎ酸化させる、この行程を何度も繰り返し、
納得のいく色合いまで染める技法です。
風情のある藍色は、ジーンズの様に使っていくほど味が出て、風合いがよくなってきます。
(※オーダーメイドでの製作は退色しにくい化学染料での製作となります。)
草木染め
草木染は色々とありますが、その中でも珈琲では染まらないと言われていましたが、当工房では生地を前処理し(特許取得済)、染める事に成功(1995年)しました。尚、柄の部分は特殊糊を使い柄出しをしています。
(※オーダーメイドでの製作は退色しにくい化学染料での製作となります。)
珈琲染無地
賞味期限の切れたコーヒー豆を使って染め上げました。珈琲染草花
賞味期限の切れたコーヒー豆を使って、染め上げました。特殊なのりを使って柄をつけて染め上げました。
素材紹介
麻
当工房で使用する麻は、本きびら麻を染め上げた生地です。、茶色がかった色彩が高級感のある厚手の麻もご用意しております。※麻の生地巾は基本的には45cmです。麻の種類により巾30cm・60cm・90cmもあります。
綿
当工房では、綿にもこだわっており、真っ白で目の細かい「タッサー生地」、生成りで均等に生地目のある「ブッチャー生地」、生成りにネップのある「しゃれ好み生地」、などをご用意いたしております。※綿の生地巾は基本的には、Y巾(約巾90cm)・三巾(約102cm)です。
道具へのこだわり
ろうけつ用 刷毛
用途によって、使い分けるため筆のバリエーションが豊富な、ろうけつ染め用の刷毛です。
使用する場合は、ろうの温度が重要になります。温度が低いと、生地にろうがなじまず、かすれてしまい、また温度高すぎると、なじみすぎてかえって線が細くなります。
染色用 刷毛
染色用の刷毛です。
筆の太さがいろいろあり、用途によって使い分けます。
柄の部分の色を差したり、ベースの部分を引き染めします。
ベースを染める場合は、刷毛を走らす事が重要です。
染めムラになる場合があるので、訓練と経験が必要になります。